ヤンゴンのダウンタウンを歩いていると、道端で真っ赤な血のような跡をよく見かけます。これは血ではなく「蒟醤(キンマ)」という嗜好品を噛んだ人が吐いた唾液の跡なんです。ミャンマーにある謎の嗜好品をご紹介します。photo by Michael Coghlan - Betel Nut Stains
photo by William – Mouthfull of Betel Nut
中年のタクシー運転手がよくモグモグしていますが、このキンマを食べています。若い人は食べていませんでしたね。
photo by McKay Savage – Paan leaves ready for rolling
デザートみたいで、一見甘そう〜。
キンマはコショウ科の植物で、大きな緑の葉の事を指します。そこに石灰を塗り、ビンロウというヤシ科の植物の実の胚乳部分を包んで丸めたものを口の中に入れます。そしてガムの用にモグモグモグモグと噛みます。噛みタバコのような物なんでしょうか?この習慣自体をキンマと呼ぶそうです。大量に口中に唾が溜まりますが、それは頻繁に吐き捨てます。
キンマの中に入れるものは人によって好みがあるようです。煙草の葉やカルダモンなどのスパイスや砂糖、ライムなどを入れるそうですよ。なんだか美味しそうじゃないか!
photo by michael davis-burchat – a compelling arrangement of betel
肝心の味。私は試していませんが、噛んでいると渋みや清涼感があり舌がピリリと痺れる感覚や酔ったような感覚があるんだそう。タバコやアルコールのように依存性もあるそうです。チャレンジしてみたいですが身体には悪そうですね…
photo by Chalky Lives – Betel Junkie
含有物のせいで唾液が赤く染まり、噛み続けるとだんだん歯が黒くなるそうです。若い人もそうですが歯が黒くなるために女性も食べている人を見ませんでした。70歳以上の高齢のおばあさんたちは、みんなこぞって歯が真っ黒でしたね。お歯黒〜。
photo by Abdul Rahman – Sirih
photo by Christopher – Betel Nut Preparations “Paan”
photo by Chuck Moravec – Pindaya Festival Betel Nut Packets
キンマのお店は、そこら中にあり、できたての新鮮なものを購入するようです。透明の袋に入れて持ち歩く人をよく見かけました。
photo by Rebecca W – betel
日本ではなかなか目にしないミャンマーならではの嗜好品。食べることはおすすめしませんが、ミャンマーに旅行して独特な雰囲気を味わってみてはいかがでしょうか?
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